共同住宅の手摺を書いていると結構な割合で「隔板(へだていた)」の作図依頼が来ます。
ここでは隔板の書き方を解説します。
「隔板(へだていた)」とは
隔板とは、アパートやマンションのバルコニーにあり、隣の家との境目となるパーテーションのことになります。通常時は、プライバシーの保護の役目を果たします。隔板は、強風などでは壊れませんが、人が強く蹴ったり殴ったりすると穴が開く素材になっています。それは、火災等の非常時に玄関から逃げられず、第二の避難経路確保のために、そのような素材になっており、蹴破ってバルコニーから隣の家に避難できるようになっています。
引用:ジェイ・プルーフ
平面図と矩計図をチェックする
これは建築図面(意匠図)の平面図と立面図を抜粋した画像です。
今回隔板の場所はざっくり書いてあるだけですね。
矩計図はこのようになっています。
ベランダの矩計に隔板は書いてありませんでした。
建築図に隔板の詳細はありませんでしたが、お客さんから
- 隔枠のメーカー
- 隔枠のWとH
を聞いていて、それで書くのが隔板なのです。
施工図がある場合
躯体の施工図をいただくことができました。
寸法がちゃんと出てるので、訂正が入りにくく書く時もすっすと進みます。
今回の発注内容
お客さんからの発注は「手摺」と「隔板」
内容は以下の通り。
- アルミ手摺 トップレ−ル60A
- 一段パネルタイプ ケミカルポスト納め ガラスはFL3+FL3の合わせガラス
- 足元の躯体立ち上がりから80mmで下弦材したとする。H=1020
- アルミ隔て板も書いて下さい。
- 隔て板はサンレールのサンシキールFタイプ
手摺の支柱部分に隔板が取り付くので、手摺の図面も載せます。
手摺図面
ベランダの手摺図面になります。
支柱部分に隔板を取り付けます。
納まり図を書く
サンレールのサンシキールFタイプ
サイトを見たけどFタイプのCADデータがない・・・
掲載されてるのはCタイプ、形状が違う。
今回も「PDF to JWW」というソフトを使ってデータ化
多少化けてたのであとは手書きで修正しました!
支柱からの空き寸法はメーカーの取付金具を使った場合は決まっていますが、FBなどで持ち出す場合はお客さんに確認しましょう。
壁側も同じです。
姿図を1/20か1/30で書く
納まり図を参考に姿図を書いていきます。
縦枠優先になります。
平面割付図、立面図
納まり図をもとに平面割付図、立面図を書いていきます。
建築図面を貼り付けて余分な線や文字を消して、そこに隔板を書いていきます。
建築図面のデータがない場合は1から書きます。
ここでは隔板の細かい寸法は書きません。
位置がわかればいいという感じ。
何ヶ所というのは書きましょう。
そのほかの納まり例
笠木幅より内側にするため持ち出し。
笠木や躯体によって取り付けに規格のアングルを使えない場合は、アングルやFB(フラットバー)で持ち出しします。
強度などありますので材質や寸法、向きをお客さんに確認してから書きましょう。
ビニフレームの公用隔板
ビニフレームの公用隔板になります。
特殊な形状ですね。
ビニフレームサイトからダウンロードできます。
「CADデータ」ボタン→商品カテゴリから選ぶ→アルミ手摺関連商品(ビル・マンション用建材)→隔板→「検索」
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